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1kb SS劇場 第二次公演

1024バイトで超短編を書こうという遊び。
下のリストから各話に飛びます(付きは18禁です)。

  1. 侍女と恋人
  2. 君が居ないから
  3. だらだら
  4. モーニングキス
  5. そんなの、入りません
  6. ちちカルチョ追加編1
  7. その冷たき肌に
  8. 見ないと判らない
  9. 禁断の夢


  1. 侍女と恋人

     目覚めの瞬間の当惑も、朝に強い翡翠からはすぐに消えた。
     ――志貴様の部屋。
     隣には愛する人。安らか過ぎる寝顔に、あの強壮さは伺えない。あれも感応能力の影響だろうかと時折疑う。ならば、自分も望んでいるのだろう。昨夜の痴態を思い出し、翡翠は一人赤面した。
     ――お体に障らなければ良いのですけど。
     暴力的ではなく、むしろ優しい。ただ余りに激しくて翻弄されるのだ。
     静かに体を起す。一糸纏わぬ肌に、情熱の跡が薄赤く残っていた。
     全身を指と口で辿られて身も世もなく喘ぎ、一心に応えた。人が恥ずかしがることばかり求め、躊躇うと拗ねて見せる志貴に、結局毎度承諾させられる。
     達するまで口唇で愛し、溢れた精を甘露のように飲み込んだ。己の行為の破廉恥さに今更悶える。羞恥に消え入りつつ嫌ではない。
     身に注がれた時の感覚が蘇って陶然とする。知らず両手で肌を撫で回していた。小さな乳首が尖っていた。
     ――でも、もう行かないと。朝まで一緒に寝て欲しいとの願いは叶えたはず。
     求婚された今も、翡翠は志貴に仕える身のつもりだ。恋人の時間は愛しいけれど、そればかりが歓びではない。

    「おはようございます、志貴様。今日も良い一日を」



  2. 君が居ないから

     早くしないと融けるし、と留守宅に上がった。ハーゲンダッツのストロベリーを冷凍庫に放り込む。まだ3つも入っていたのには自分で呆れた。
    「居ないよな?」
     一応、寝室まで見に行く。乱れたベッドを直すつもりが、代わりにそこに寝てしまう。二部屋ぶん一緒にしてある鍵がカチャッと音をたてたせいで、一月だけの同居人のことを思い出した。
    「おまえ、ひょっとして、好きだったのか?」
     今になって、そこに考えが及ぶ。事実なら、それだけでも変なヤツだし、不幸ってものだ。こんな社会不適合者達に関わったばっかりに、碌な眼に遭わなかったのだから。
     魔術師の実験に巻き込まれたなんてことを憐れむべきかどうか。ただ、私のことを好きだったのかもしれない男なら、せめて時々は思い出してやりたい。
     こんな風に惚れた腫れたが意識に上るなんて、と自分の思考に驚く。
     この部屋の主のせいだ。あれもヘンな奴だけど、ベッドで他の男のことを思い出したりしてたら妬いてくれるかな。
     ああ、私の頭の中はあいつばかりみたい。いや、シーツに残っている匂いのせいにしておこう。
     思って、つい俯せになる。
     そんな匂いが判別できたりする自分のことも、棚に上げておこう。


  3. だらだら

     大抵、式は連絡も無くやって来るし、留守だったら勝手に上がり込んでいる。
     そんなのは構わないけど、たまに仕事を持ち帰ってたりした時は暇にさせてしまう。
    「ごめん、すぐ終わると思うから」
    「別に、落ち着いてやってくれ」
     ベッドにうつ伏せになってコンビニの袋を置き、そこにあった雑誌を手に取った。
     って、それはちょっとまずい。
    「それ、先月号だよ」
    「どっちみち読んでないから関係ない」
     一応男性誌だから取り上げる口実が欲しかったんだけど、あっさり否定された。別にポルノじゃないにしてもグラビアはヌードだったし。
    「すけべ」
     さっそく見たらしくて、笑われた。
    「大概の雑誌にあるじゃない、それぐらいの」
    「良いから早く仕事済ませろよ」
     正論なので、従う。
     一通り片付けて、式の様子を見る。いつも行儀が良いのに今は気を抜いているらしく、寝そべったままでポッキーを一本咥えていた。
     気だるげな姿が新鮮に映る。
     着物の裾がやたらに乱れていると思ったら、膝を曲げてパタパタさせたりしている。脚がちらちらと覗いていて、眺めてしまう。
    「こら、早く終わらせろ」
     雑誌に目を向けたままだけど、僕が見てるのはバレてたらしい。


  4. モーニングキス

     朝、相変わらず安らかな志貴の寝顔を翡翠は恍惚と眺めていた。
    「志貴様……」
     反応は無い。
     見慣れていなければ判らないほど小さく笑うと、頬を染めつつ、翡翠は未だ眠る主に顔を近づける。
    「志貴様?」
     やはり返事が無いのを確認して、こっそりと翡翠は唇を志貴と重ねた。微かな接触だが、それだけで少女は顔を真っ赤にする。
    「志貴様」
     深呼吸して平静を取り戻し、三度目の呼びかけ。刹那、志貴の両腕が跳ねて翡翠の首を捉えた。
    「志貴様っ!?」
     ベッドに引き倒され、その上抱き留められた。
    「モーニングキスなら、目が覚めてからしてくれれば良いのに」
     返事が出来ず、翡翠は黙り込んだ。
    「ふふ、最近毎日してくれてたよね?」
     指摘されて再び耳まで赤くなる。
    「申し訳ありません、あのような不埒なことを」
     からかう積りでしかなかった志貴は、過剰に詫びる翡翠に手を焼く。
    「じゃあ罰ゲームをひとつして貰うから、それで終わりっ」
     承諾する翡翠に志貴が告げる。
    「今からもう一回、キスしてくれる?」
     また絶句し、体まで硬直させた。
    「はい」
     やっと返事して、甘美な償いを果たす。
    「明日から、毎朝しようか」
    「……はい、志貴様」


  5. そんなの、入りません

    「そんなに大きいの、本当に入るんですか? 兄さん」

     休日、式を出し抜いて幹也と遊びに出かけた。向こうはともかく、わたしとしてはデート気分だ。
    「やっぱり男の人の腕ですね。兄さんは華奢だと思ってましたけど」
     一日、腕に絡み付いて歩いた。きっと傍目には恋人同士、それだけで嬉しくなるのは自分でもいじましいと思う。
     でも、こんな所に入ることになるとは予期しなかった。まるっきり平然と誘われたから、反応の仕方に戸惑ってしまう。
     慣れた様子なのが引っかかる。その、つまり、式とは頻繁に来ているんじゃないかってコト。

    「無理です、裂けてしまいますっ」
    「大丈夫、そっとするから」
    「ですけどっ」
     少し反っているから、狙いを定めるように先端を当て、ゆっくりと押し入れる。
    「いたまないと良いんだけど」
     心配そうに言う。こちらこそ不安なのに。
    「もう先端が当ってます」
    「あと少しだから」
     幹也は丁寧に進ませる。
    「あっ」
     とうとう、破れてしまった。
     複雑な思いもあるけど、わたしは喜んでいた。
    「無理に突っ込むからです、キュウリなんて」
     想い人がこんな企画に無闇に詳しいと、何か残念。野菜詰め放題一袋百円とかって。



  6. ちちカルチョ追加編1

     エロティックな曲面を眺めていたら、捕まって抱き止められた。すべすべの肌に押し付けられて、ほのかな香りが快い。こっそり、随分セクシーなフレグランスを使っている。
     指を引き込むように柔らかで、なのにしっかり形を維持して主張している二つの実を揉み始める。にやけてくるほど気色良いし、向こうも満足げな笑いを洩らしてくれる。
     乳首の少し濃い目の色を揶揄しつつ、唇に包む。吸い上げて、周囲を舌先で辿る。先っぽはお預けにして、もう一方の丘にもキスした。たっぷり乳輪だけ舐めて尖塔に唾だけ残し、元の方に戻る。また焦らしていたら背中を引っかかれ、仕方なく要望に応える。すっかり期待に硬くなっていた舌触りに楽しくなる。
     喘ぎ出したあたりで、やっぱり移動した。こっちも同じようになってるから、散々に突付きまわした。
    「気持ち良い?」
     こっちに向けた顔には、妖しい笑みが溢れている。緩んでいた口を慌てて閉じ、ごくんって涎を飲み込んでる。
     自分も唾液が溜まっていたから、胸に落とす。舐めまくって双丘を濡らし、光らせる。餓えたみたいに肉を咥え、キスマークだらけにする。ぐにぐにと捏ねて遊ぶ。また先端を吸い立てる。
     耳に届く声が、酷く淫ら。


  7. その冷たき肌に

    「ほんとに、するんですか?」
     先輩は、泣きそうに赦しを請いつつ、観念したみたい。バニラアイス盛り上げてジャムを飾ったみたいなバストをおずおずと露わにしてくれる。
     顔に浮かぶ、羞恥と怯え。抵抗は理解できるけど、これは勝者の権利なのだ。
    「行きますよ?」
     後ろから身を寄せて、いたぶるように手の動きを見せつける。
    「はい……」
     弱々しい声が、嗜虐心を煽る。
    「覚悟!」
     囁いて、おっぱいを掴んだ。
    「ひゃうんっ! はふぅっ」
     盛大な悲鳴。全身を震わせ、鳥肌まで立てている。触り心地は蒸し上げた肉まん、湯気を立てんばかりに熱くて、頬張ればきっと天上の美味。でも、まずは指で堪能。
    「乳首、勃ってますよ」
     指摘に、鼻声で応えてくれる。きゅっと摘んだら、びくんって、また震えた。熱い肌を撫でるだけで、それが酷い虐待のように、啼く。
     一通り柔らかな肉を蹂躙した頃、流石に慣れたのか吐息が甘くなっていた。改めて乳頭を擽ると、今度は蕩けた笑い。
     その油断は命取り。翻した両手の甲で、二つの丘を押しつぶす。
    「ひゅあっ!」
     また、叫び。凍えた手に、至福の温もり。
     抜けて来たばかりの窓の外を見れば、雪が積もり始めていた。



  8. 見ないと判らない

     外出許可を取るのも、わたしには珍しくはない。でも、流石に海に行くなんて目的では初めて。
    「ほんとにプロポーション良いわねえ」
     昨夜、水着を買いに連れて行かれた時に、試着室で鮮花はそんなことを言っていた。
     水着のデザインとか、体つきがどうとか、正直言って良く判らない。自分の体に興味が無いのだ。
     言われたように、鮮花より胸の膨らみが大きいことは事実らしい。
    「だからって、それが『良い』ことになるのですか?」
     真剣に尋ねたのだけど、鮮花は答える前に一瞬、不機嫌に黙り込んだ。
    「真面目に訊いてるんでしょうけどね。世間的には、そうよ。そりゃ、好みは色々だろうけど」
     実感は無かった。しかし、こうやって海辺に来た今、周囲の男の人たちの視線を集めているのは判る。何故かわたしばかり見られている。
     あんな経験にも関わらず、男性が酷く怖いということは無い。
     それは、あの人のお陰。
     男の人だって、もちろん色々なのだ。
    「ふじのー」
     飲み物を買いに行っていた鮮花の声がして、わたしは立ち上がる。
    「って、あんた、胸っ!」
     切羽詰ったような言葉に、視線を下に向けた。
     気が付かなかった。
     ビキニが外れていたみたい。


  9. 禁断の夢

    「駄目です、兄さん、こんな」
     鮮花には幾度と無く夢見たことだが、いざとなると拒絶が口に出る。
     禁忌と、悦びと。
     怖くはない。ただ、畏れはある。
     満たされてはならない。
    「あっ……」
     餓えるほど欲しながら、叶えられたら壊れてしまう、矛盾。だけど息遣いを感じて、理性に反して躰から降伏して行く。寝間着の内に指が入り込み、肌を撫で、胸のふくらみを愛でられると、守りが崩れていく。
     実家で親も居るのに。また拒むポーズを見せようとして、口を塞がれた。
     乳首を摘まれ、喘ぐ。先端を擽られ、官能の甘さに蕩ける。
     捲り上げて胸元まで露わにされ、羞恥に顔を背ける。その実、悦楽。
     頂を包むように吸い付かれて、期待に震える。
     ここに来て動いてくれない。
    「兄さん……」
     気が付くと、ショーツの中に侵入されていた。とっさに脚を閉じ、開くわけにも行かず、悶える。
     指が女の谷間へと進んで行く。
     意地の悪い囁きに、おずおず口を開く。
     その褒美に、鋭敏な三つの突起を一度に責められる。
    「ああっ……!」
     甘美な電流に、白く弾けた。

    「ん……」
     うたかたの快楽が過ぎ、残るのは濡れそぼつ秘所。一人遊びの寝台、倍した渇き。


 

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