Between Dreams and Phantasms


「――――」

 胡乱な頭で、益体もないことを考えていた。

「ふふ、おぬし、さっきは随分と漢らしく正直な思考をしておったなぁ」
 そして気が付いたら、ドレス姿で金髪を長く垂らした途轍もない美人と向き合っていた。
 一呼吸かかって、その名を思い出す。
 朱い月のブリュンスタッド。アルクェイドの深層に沈むとかなんとか、ややこしい理屈の上の存在。アルクェイドそっくりだけど纏う空気の大きく違うその美女は、何やら可笑しそうにしている。
 酷く新鮮に思い、理由に気付く。前に夢で朱い月と顔を合わせたのは夜だったのに、今は真昼の日差しを浴びているのだ。髪から照り返しているのか、露出した雪膚もまた黄金めいている。
 ここはきっと、千年城のテラス。だけど、遙かに地平線まで続くような緑の草原が広がっている。見上げれば青空、それなのに満月が白く見えている。実在し得ない風景だ。
「漢らしいと言うより、オトコノコらしい、かな?」
 別の声がして顔を向け、目に入った姿を理解するのに、随分と長い時間を要した。ストレートの長髪と美貌ならば朱い月にも並び立つ、魔法使い。俺にとっては生涯の恩人。蒼崎青子、本人がその名を嫌い、俺が先生と呼ぶ唯一の人。
「えーっと……」
 まともに言葉が出ない。
「そんなに凍り付かなくても良いじゃない。この前も会ったでしょう? 会うはずじゃなかったにしても」
 ああ、そうだった。白いレンの騒動で、先生が黒幕で……。
「また会えるなんて、夢みたい?」
 みたい? というより……。
 と、不意に先生が両手で胸を押えた。
「志貴、今『みたい』って思ったでしょ?」
 おかしな笑いでこちらを見る。
 何のことだろう?
「みせてやらんのか?」
 考えていたら、今度は朱い月が告げる。
 みせる? 見せる、か。
 見たいものって何だろうとまた考え、居並んだ先生と朱い月とに共通するものを長髪と美貌の他に見つけて、思い出す。途端に頬が熱くなった。いったい、なんでまたこの二人が一緒にいるのかとか、夢であるにしてもこの状況は何だろうとか、そんなことも気にならなくなってしまう。
「思い出したか? ほら、もう一度申してみよ」
 前にあったときはもう少し緊張感の漲った対話だったと記憶しているけど、今の朱い月は、ずっとくだけた調子だ。
「良いのよ? したいと思うこと、したいって考えることぐらい、そこに何の罪があるわけじゃないのだし」
「いや、その……」
 思い出したけど、面と向かって口に出すなんてことは憚られた。
「口に出せないようなことを考えておったのか? 不埒な人間め、少し反省せい」
 返事も出来ないうちに朱い月が両手で俺の頭を掴んだ。逃げる間もなく引き寄せられ、胸に抱き止められる。
「うぁ?」
 その豊かな胸の谷間に、顔を埋める格好。ドレス越しでも、体温と、ぽよんぽよんの肉の感触は存分に感じる。
「さあ、正直に白状せい、何を考えておった?」
 ぐるぐる頭を揺すられ、朱い月のバストに顔を擦りつけることになる。ドレスのシルク布だって充分気持ち良いのに、カップの上半分足らずは肌が出ているわけで、そこに摩擦する快感は発火しそうなほど。
「いや、そのっ……」
 淡い匂いが鼻を刺激し、知らず知らずに深く吸っている。香れば香るほど欲しくなる麻薬めいた薫香。血管を通って全身が甘く痺れていく。流石のアルティメットワン、おっぱいまでちゃんとアルティメット。いや、ワンじゃなくてトゥーだけど。
「嬉しそうねえ、志貴。やっぱり、そういうの好き?」
 先生の声に、僅かに正気が戻る。
「男の子は大好きよねえ、おっぱい」
 いや、そのっ……。改めて先生に言われちゃ、もの凄く恥ずかしい。でも正直、朱い月から離れる気もしなかった。
「良いわよ、素直なのは悪いことじゃないわ、もちろん相手が嫌がってなければだけど」
 承認されてしまうのも、やっぱり恥ずかしい。
「男の子って、こういうのも好きよね?」
 と、背中に温もりを感じた。むぎゅ、と柔らかいものが押し潰されている感触と共に。
「いや、先生?」
 背中から抱き付かれている。朱い月に少しも劣らず豊満な、先生の胸が背中に気持ち良い。昔、あの胸に顔を埋めるように抱き締めて貰ったのを思い出す。先生の姿は、記憶と少しも遜色がない。
「ほら、志貴。さっき何を考えていたか言ってご覧なさい」
 顔と背中に、おっぱい責めの挟み撃ち。くすぐったくて痺れる電撃が全身に伝わっていく。耳に声を吹き込まれて、脳みそが融けそう。こういうのって、挿入して腰振ってるのとかとは種類の違う感覚。気持ち良い以上に嬉しい、楽しいって気分。
「そうだ、早く楽になるが良い」
 いやあ、その……。
 月の王だか女王だかと魔法使いとにこんな誘惑を受けた人間も世界に又と居るまい。それが名誉なのか何なのか判らないけど、恥ずかしいってのが素直な感情。でも、その何杯も嬉しくもあり。
「本当は、私もそっちの魔法使いめも知っているのだがな。素直に口にすれば、叶えてやらんでも無いぞ?」
「そうよ、素敵な男の子になってくれそうだから、それぐらいの願望なら満たして上げても良いわ。でも、ちゃんと口にすることっ」
 恥ずかしい。
 ただ、叶えてくれるというなら、大喜びで叶えて貰いたいわけではあった。
 ためらっていたら、更なる攻撃を受けた。先生が、俺のシャツを捲り上げていく。
「ちょ、先生?」
「志貴が煮え切らないからよ?」
 肩の辺りまで引き上げられたと思ったら、すぐに背中に人肌を感じる。
「はぅ……」
 ぞくっ、とホントに震えてしまった。先生もシャツを捲ってるらしく、たっぷりした胸を直に押し付けられている。服を介してたのとは断然違う鮮烈さ。温かいを通り越して熱いばかり、背中に刺さるばかりの存在感。
「華奢に思ったけど、意外と逞しいわね、志貴の背中」
 また耳から媚薬が流れ込んでくる。体を揺すって胸を擦りつけられ、力が抜けてとろとろに崩れていく。触れ合う肌が汗で少しくっつき合って、これまた実在感を高めてる。
「まだ言わんか、人間め。これでどうだ?」
 また、顔を朱い月の胸にくっつけたり離したりして双丘の弾力を味あわされる。腕で左右から挟み付けてる。
 そこまでしなくても、もう降参です。
「ふふ、なんか嬉しくて乳首堅くなっちゃった。志貴、判るでしょ?」
 判ってしまって、身を仰け反らせる。先生の、この上なく柔らかく背中を押してくる膨らみの感触の中に、少し堅くて背中を擽るところが二つ。電極みたいでビリビリ感じた。
「この身の乳首は……判るか?」
 こっちも、何となくなら、判る。白い布地に覆われた頂が、僅かに尖っている。
「ほら、さっきなんて思ったの?」
 問われながらも、思考が途切れる。先生が体の位置を変えて、頭の後から胸を押し付けてきたから。前から後からおっぱいに挟まれて窒息しそう、でも先に他の理由で昇天しそう。
 こんな気持ち良い拷問にずっと遭ってたらおかしくなりそう。だから、意を決して、唇の震えを抑えながら、言葉を発した。

「あー、おっぱい揉みたい、って……」

 言ってしまった。また顔から火が出る想い。先生にそんなこと言うなんて。いや、朱い月にしたって同じだ。どっちにしても、この上なく不埒。ただ、別に先生や朱い月を頭に思ったわけではなく……。
「漢らしいな」
 朱い月の妙な感想が耳に届く。相変わらず、頭を四つの乳房に固められたまま。
「漢らしいっていうのかしらね、こういうの」
 ぐにゅぐにゅ、ともうひとしきり押し潰されて、おっぱい窒息の刑から解放された。
 恐る恐る二人の表情を見上げたら、揃って、思いっきり悪戯に笑っていた。
「志貴、鼻血」
「えっ?」
 慌てて手を口元に当てたけど、そんな気配はない。
「嘘よ」
 また、笑われた。
 いたたまれなくなって顔を伏せて逃げ出しかけたら、両手をそれぞれ掴まれた。
「揉まないの?」
「構わんぞ?」
 とんでもないお誘いを再び貰う。握られている手の柔らかな感触だけでも官能に打たれてしまっている。
 白い簡素なTシャツ一枚に覆われたきりの、先生の胸。さっきの背中の感触も頷けるほど、ふくよか。まだ、乳首がツンと薄い布を押し上げている。
 豪奢なドレスから、なかば溢れた格好の朱い月の胸。大きさは多分、先生と同じぐらい。俺の顔に擦られたせいか幾分赤みが差し、そりゃ埋もれたら息が詰まるよな、っていうぐらいに深い谷間が覗いている。
 どっちにしても、とんでもなく魅惑的。でも、今さらながらの躊躇も大きい。
 先生に、セクシャルな欲情を抱いていることとか。
 俺にはよく理解できていないこの魔物に、そんなことして大丈夫なのかとか。
「大丈夫、聖人になんてならなくて良いんだから。君は君がしたいと思うことをすれば良い」
 いや、良いんですか、先生、そんなこと。
「人間、浮き世さえ夢だとはお主らの言葉であろう? ならば、ここは夢の又夢。何をためらうことがある」
 早くしなければ醒めてしまうぞ、との有り難いご忠告。確かに、それは惜しい。
 ためらいためらい、手を動かす。そっと二人の胸元に近付いていく自分の手を、他人事みたいに眺めていた。それでも最後の1センチばかりで、一度ポーズしてしまう。
 再び意を決し、手の震えを抑えつつ、ぐっと押し出す。
 くにゅ。
 むに。
 両手が、魔法使いと朱い月の胸を握った。手に、みっしりと重みを感じる。掴まないと逃げていきそうに柔らかいのに、力を入れたら入れたで、やっぱり弾けて飛んでいきそう。まだ布地越しだけど、その温かみと触り心地に呼吸を忘れそうになる。ただ、指は勝手に、ふくらみを揉みしだいている。朱い月の、白いドレスの胸元を持ち上げて、みっちりした肉の果実をこねくり回す。先生の、白いTシャツを押し上げるような丘に手を当てて、ぐにぐにと揉み立てた。
「ノーブラ……」
 判ってたけど、触って改めて口にしてしまった。
「ふふ、嬉しい? それとも、してた方が良かった?」
 答えようがなかった。
 両手でそれぞれ違う人のおっぱいを触っているなんて、とんでもない状況。それも、相手は世界の行く末を左右するような二人。それでも頭の中は、そのバストの触り心地の至福で満たされてる。
 はぁはぁと、過換気しそうなほど息が荒くなってる。
 するする手を滑らせて形を確かめる。指を巡らせて乳首をくすぐり、転がし、摘む。そのまま震わせてみる。いやらしい気持ち満々で愛でているのは確かながら、素晴らしい恵みに感謝を捧げる気分とかもあり。
「んふっ」
「んっ……」
 少し尖っていたのが、もっと堅くなってくる。もう、ドレス越しでもくっきりと存在が判る。悩ましげな吐息が俺の中のあっちこっち直撃する。
「ずいぶんと慣れた手付きよな」
 言われて、きっとまた赤面した。
「そうね、志貴ってば意外にテクニシャンっ」
「いや、そのっ!」
 何か言い訳しようとして、何も出て来やしない。両手とも、俺の意思を離れたみたいに揉みまくっている。
「しかし、服の上からで満足か?」
 また、とても抵抗できやしない誘惑。
「ほれ、今日は大盤振る舞いだ。遠慮は要らんぞ」
 朱い月が俺の手を捕まえ直し、露出した乳房の上のあたりに押し付ける。しっとりと滑らかで、どんな極上のシルクでも何でも敵わないだろう肌触り。するりとそのまま、ドレスの内側に滑り込ませる。
 おっぱいの下の方に潜り込んだら、汗の潤いを感じた。他人の汗なんて気色の良いものじゃないはずなのに、極上。天上。指を突っ込めそうな柔肌、押し返す張り。
「こっちも捲ったら?」
 魔法使いは少しだけ意地悪で、自分で捲ってはくれないらしい。そのために手を放さなきゃならない僅かの間を千金のように惜しみながら、Tシャツを引っ張り上げて、おっぱいを生で掴み直した。こっちも、しっとり潤っている。熱くて、すごく精気を感じる気色の良い塊。先生の生身の躰の一部。
「つっ……」
「こら、そんなにしたら痛い」
 どうしたって、力が入りすぎる。必死で加減しながらも、手が制御を離れて揉みまくっている。生命力あふれる小動物みたいな胸を、これまた別の生き物みたいに俺の手が撫でくり回している。
「ごめん……」
 そぞろに謝りながら、少しも手付きを変えられない。
 やわらかくて。
 あたたかくて。
 すべすべして。
 しっとりして。
 こんな快感、ずっと味わっていたら手の神経が駄目になりそうだ。
 なのに、まだ誘惑は続く。
「揉むだけで充分か? 何か他には望まんのか?」
 ドレスが落ちて、揉んでるんと違う方のふくらみも露わになっている。少し上気した肌に包まれた宝玉、その中心には更なる至宝。白い、真珠みたいに輝くおっぱいの触りまくってる方には、赤く指の跡を刻んでしまっている。悪いと思いながら、こんなにしても許してくれているのが極楽。
「まだまだあるわよねえ、したいこと」
 言われて目をやれば、先生も、もう片方のおっぱいを隠していたTシャツを自分でたくし上げてくれていて、こちらでも未踏の峰が輝く肌を晒している。
 ほとんどサイズは同じ二人のバストが並んで、魅惑を競ってる。
「求めよ、さらば叶えられんっ」
 求める。激しく求める。両手が塞がってるから、それ以外で求める。もう、恥ずかしいとかなんとかより欲情に手足も舌も操られてる。

「えー、そのー、顔を埋めたい……」

「じゃ、そうしたら?」
 そんな幸せな回答に、我慢なんて刹那も出来ず、むしゃぶりついた。
「あはは、吸ってるじゃない、顔埋めるんじゃなくて」
 言われてから、乳首を口にしてるのに気付く。恥ずかしくて、いや、気持ち良すぎて、言葉なんて出ない。思いっきり顔で押してみたら、ふにゅん、とばかりに何処までも受け容れてくれるみたい。でも、しっかり押し返してきたりもする。
 吸い付いている小さな珠は、ますます尖ってくる。
「んんっ、幾ら吸ってもおっぱいは出ないわよ?」
 少しは感じてるらしい声で、またからかわれる。確かに母乳こそ出ないだろうけど、舌先で転がしている肉粒は、蜂蜜みたいに甘い気がした。
「夢中になっておるな……」
 声と共に、ほっぺたに温かいものが当たる。朱い月が、おっぱいを押し付けてくれている。
 そっちに向き直って、やっぱり乳首に吸い付く。こっちもすぐに堅くなり、やっぱりメイプルシロップみたいに甘く思う。ほっぺたを擦り寄せ、代わる代わるに吸う。クリームめいた柔らかさと日だまりみたいな温もり。ほのかに、でも脳天まで忍び込んで行く官能の匂い。先生と朱い月とで、やっぱり違う匂いがする。
 押し返してくる肉の弾力。肌の触れ合う音まで、耳を擽って悶えさせてくる。
 くっついている気がするぐらい、両手が二人の胸を離れない。少し汗が浮いてるのが判る。潤いが増して、快感で手が融けそうに思う。爪の跡まで付けてしまっているらしいのに、文句も言わずに好きにさせてくれている。もう、手がホントに溶けたって文句は無い。両手と両頬とで甘美なハーモニー。
 むにむに。
 さらさら。
 くりくり。
 ふんふん。
「ふふ、これぐらいでそろそろ満足?」
 そんなっ……。
 ぜんぜん足りない。舌まで快感に痺れているらしくて言葉にならず、必死で顔を左右に振った。
「ふふふ……」
 二人の胸が交互に頬に当たって、おっぱいで往復ビンタされてるみたい。
「じゃあ、もっと他にしたいことあるのね?」
 今度は、がくがくと首を縦に振る。やっぱり、おっぱいに挟まれた顔が擦れて蕩ける。
「ふむ。上を向いて寝るが良い」
 有無を言わせない風情に黙って従うと、二人は俺の顔の上で半ば抱き合うみたいに豊かな胸を触れ合わせる。目の前に、天上の美果が四つ、たわわに実っている。ぶつかり合って、ぷるんぷるん震えている。つんつんしたら、それだけで弾けそうなほど張り詰めた感じ。そんなこと考えた時にはもう手を出して、両手とも二人の乳房の間に挟んでいた。
「あはは、嬉しい?」
 笑われたけど、身を寄せて、みっちり手を挟み付けてくれる。掌も甲もバストに触れてる。罠にはまったみたいに、ぐにぐにして吸い付く肌の間から抜け出せない。藻掻くほど快感に溺れていく。乳首を見つけて、摘んだり弄り回したり引張ったり山に押し込んでみたり。どんな風に手を動かしても動かさなくても両側から胸に挟まれていて、快感。
「そろそろ堪能か?」
 言われて、まだ別のことも望んでしまう。気持ちの良い肉の隙間から手を抜き取られて、代わりに体温を感じるほど傍まで寄せてくる。押し潰し合う膨らみ、こんなに顔の傍に見せつけられちゃ、また埋まりたくなるのは宇宙の摂理だ。
「どうして欲しい? 言った方が得するわよ、正直な男の子っ」

「そのー、もうちょっと下がって来て貰えると嬉しいなって」

「仕方のない奴め」
 からかう調子だけど、そろって下がってきてくれる。二人とも左右から手を添えて、おっぱいの弾力とぷにぷに加減をたっぷりと堪能させてくれる。
 もう、息も出来ない気分。顔が性感帯なぐらいに官能。背筋を電撃みたいに快感が走り回ってる。快楽中枢がイカレたかってぐらいに悦楽。
 蜜。
 喘ぐ。
 溶ける。
 良い匂い。
 甘酸っぱい。
 くすぐったい。
 逝きそうなほど。
 脳天直撃甘露甘露。
 癒着してしまいたい。
 ここで死んで悔い無し。
 ぐるぐる、頭を動かして肌触りを心いくまで楽しもうとする。いや、いつまでこうしてたって飽きたりしない。
「嬉しいか?」
 当たり前すぎることを訊いてくる朱い月に、それでもちゃんと答える。
「余程好きなのだな、お主。女の乳が」
 呆れたように、可笑しそうに。
「ひょっとして、あの時の私の胸が原因だったりして」
 その可能性は……あるかも。もう一回、ああされたいって思ったことはあっただあろうし。
「お主、この身の乳と、この魔法使いめの乳と、どちらが好きだ?」
 うわ、そんなことっ。
 確かに感触は同じってわけじゃない。何か、玄妙に感触や匂いや味が違う。にしたって、どっちが良いかなんて甲乙つけられたもんじゃない。
 アーとかウーとか、ほとんど口も塞がれているのを良いことに誤魔化す。
「えいっ……」
 むぎゅっ、と重さを掛けられて、偽り無しに息が詰まった。おっぱいの間に残った僅かな空気も、まともには吸えない。
「あぅ……」
 それでも、密着具合には心弾む。突き刺されるような苦しい快感の時は、しばし続いた。
 本気で苦しくなって来たころ、やっと離れていって空気が吸えた。それでもまだ、胸を追いかけてしまう。
「ほんとに好きみたいねえ」
 おっぱいの隙間から息をしながら、笑い声を聞いてた。
「まったく、人間の男とはこのような生き物ばかりか?」
 いや、俺を人類男性の代表にされても困ります、朱い月さん。
 そんな反論も、いきなり下腹部に触れられて呑み込んだ。
「よっぽど嬉しいのね、こんなに元気にして」
 あっさりベルトが外されているらしく、パンツまで引きずり下ろされて、イチモツに空気が当たるのが判る。
「いや、あの?」
 胸に溺れて全然意識してなかったけど、勃起しすぎて痛いぐらい。
「ほら」
 息はできるぐらいに再び胸に溺れさせられ、同時に、睾丸と竿を握られた。
「はうっ?」
 細い指が、ふにふにと袋を弄び、揉みしだく。鮮烈過ぎて束の間、何だか判らず頭が真っ白。竿をくすぐる指に意識を取り戻し、途端に今度は官能で息ができない。さっきから、酸素が足りていない。
「感じているのか?」
 声が出なくて、首を縦に振る。ぴとぴと、おっぱいが当たってこれも嬉しい。乳首を見つけては吸い付く。舐める。やっぱり甘い蜜の幻覚。
「逞しいわね。ここは、もう立派に男よねえ」
 するり、するりと二人の手が俺のモノを弄り倒している。根元から先端まで、隈無く十本の指が形をなぞる。袋を揉まれ、亀頭のあたりを包んでは擽られ、竿をさすられ、二人してギリギリ痛まないぐらいに交互に握られ……。
「う……ぁ……」
 顔にくっつけられたバストの官能でメロメロだったから、あっという間に発射態勢。びくんびくんしている感じが自分で判る。腹の奥で沸き立つイメージ。
 勿体なくて、耐えようとする。深く呼吸したら、先生と朱い月の匂いがハーモニーして余計に官能。
 腺液を漏らしてるんだろう、ペニスへの刺激が濡れている。袋の裏まで指が這い回り、穂先を包んでエラを擽りまくられる。尿道を広げるような指使い、ちょっと怖いけど快感。リズム良く手が上下して全体を撫でられ、同期して二人のバストが顔の上に弾んでいる。ぽよん、ぽよんって叩かれてる。
「はぁ……っ」
 もう、無理。官能に屈して力を抜く。朱い月と先生の指とおっぱいに身を委ねる。搾り取られる対価の快感はあまりに甘美。もう、あと何度か擦られたら達しそう。
「それで、志貴、答えは?」
 答え?
「私のおっぱいと、この怪物のおっぱいと、どっちが好き?」
 うわ、まだそれをっ?
 いきなりイチモツの根元をぎゅっと締められる。痛みに呻くと、先っぽを弄くる指の動きが激しくなる。放ってしまいたくて、臍の下のあたりから痙攣が広がる。
「ちょっ、逝かせて……っ」
「だから、どちらが好きなのか答えてみよ」
「うわっ、そんなっ……」
 むにむにと、更に胸を押し付けたり擦り寄せたりしてくる。イチモツの根元は掴まれたまま、袋もつつかれている。シャフト全体を先走りの液で滑らかに指が行ったり来たり。
「良いじゃない、私だって言えば済むでしょ?」
「ふふ、当然この身だと言って楽になれば良いだけのことであろう?」
 いや、ちょっ、それはっ……。
「鬼ーっ」
 思わず、呻く。
 優柔不断と言わば言え、どちらと答えるのも恐ろしい。引きつったみたいに腹の奥が辛い。相変わらず動き回っている指は残酷なまでに快感。
「あら、私は魔法使いよ、知ってるでしょ」
「この身は吸血鬼だ、鬼とは付くが、お主の言うオニとは関係なかろう?」
 二人とも、とぼけるばかり。
 ますます、乳房に溺れる顔も手で弄ばれるイチモツも寸止めの快感に苛まれる。
「あくまーっ!」
 また訳も判らず口にしていたけど、意にも介さず、射精を禁じる指を緩めてくれない。繊細で無情な愛撫の手も止まらず、快感が苦痛を弥増すばかりだ。もう、どっちかの機嫌を損ねて死ぬか焦らされて焦がれて死ぬか二つに一つ。どうせなら最後ぐらいは気持ち良く死にたい。
 そんな覚悟を決めそうになるころ、やっと先生の慈悲が下された。
「まあ良いわ、これまでのがんばりに免じてあげる」
 ふっとイチモツの根元を締め上げていた痛みが消え、思い切り摩擦された。是非もなく、鼓動の間も無く、体の底から火が噴くように吐精した。
 どくん、どくん、って際限なく出て行く。
 おっぱいで窒息させられながら、体が乾涸らびそうなほどペニスから飛び出していく。
 どくん、どくん。
 まだペニスに指が絡み付いて、搾り取ろうとしているみたい。しっかり応えて、一滴も残さぬ勢いで吐き出している。
 どくん、どくん。
 腹の奥が痛むほど、射精感が続いた。
 気持ち良いのと息苦しいのとで朦朧としていたら、頬を突かれる。眼を開けると、二人が手を俺に見せていた。どちらも、白くてドロドロしたものにまみれている。
「この濃さで、こんなに沢山。溜まってたわけでもないでしょう? 志貴」
「逞しいな、お主、体は弱いらしいのに」
 実際、信じられないぐらいに先生と朱い月の手は粘液で汚れている。そんなもの見せられて、どうして良いのやら。
「それに、これで全部でさえないのよ」
 そう聞いて、もう、呆れるしかなかった。先生の手のぶんだけでも、二回ぐらい続けて逝ったんじゃないかって量なのに。とにかく恥ずかしくて、もう一回、胸に顔を埋めて隠れたくなる。でも、綺麗なおっぱいは相変わらず眼福この上ないけど、ちょっと届かない。
 眼をきょときょとさせていたら、朱い月が手を舐めるのが見えた。
 いや、手じゃなくて。
「妙な味だな」
 指に絡む俺の精液を舐めていた。
「これが志貴の味ね」
 先生まで、白濁した液を舌に載せている。酷く、倒錯した快感に痺れる。先生に、そんなことさせてるなんて。羞恥で、悶える。じたばたしてしまって、手に温かいものが当たった。まさかと思ったけど、図ったように、先生の胸を掴んでいた。
「あはは、まだ足りないの?」
「いえっ、そういうつもりじゃ……」
 体を起こそうとして、そんな馬鹿なってぐらいに見事に、今度は朱い月の胸にもう一方の手が当たる。
「好き者だな、お主」
 嘘だ、絶対仕組まれてる。誰だ、俺の手を好きに動かしてるのは。
「違うの? じゃあ、満足した? 志貴」
 尋ねてくる先生は、また俺の体液に濡れた指に舌を伸ばしている。そして俺の手は、しっかりどちらもまた、おっぱいを揉んでいた。
「まだまだ全然足りない様子であるな。お主の正直な体、そう申しておるぞ」
 つんつん、と付突かれたペニスは、言葉通り、ちっとも萎えていなかった。それに、言われてた通り、白いものに濡れている。
「もっとイイコト、してあげても良いわよ?」
 幸せな提案を賜る。先生の貌を見てしまうと、やっぱり聖なる想いも湧かない訳じゃない。でも、その唇は俺の精液で汚れていたりするのだ。
 朱い月に、恐れを抱かない訳じゃない。アルクェイドそっくりの姿は愛しくさえ思えるけど、こいつが、アルクェイドの悪夢なのは知っている。でも、いつもなら澄ました顔に紅葉を散らし、冷たいはずの眼にはアルクェイドと同じ好奇心が覗いている。
 もっとイイコト。
 これ以上良いことなんてあるのかって思っていたら、先生が胸の谷間で祈るように指を立てる。朱い月が、左右から先生の胸を寄せて上げてする。
「あ……」
 頭に浮んだ不埒な願望を見透かすように、先生は手を上下させる。して上げて良いって向うから言ってるんだし、なんて言い訳を繕いつつ、結局のところ是非もなく求めた。

「えー、ふたりで挟んで欲しい……。です……」

「良いわよ。もう、悪い子なんだから」
「このスケベめ」
 顔の傍から乳房が離れていき、急に寂しく思う。でも、それも束の間。魔法使いと月の女王は、俺の下腹部に顔を寄せる。
「またこんなに逞しくしおって」
 言われた通り、これ以上ないほど勃起してた。
「さあ、どうして欲しいのか、もう一度はっきりと申せ」
 じっくり見られると、恥ずかしさに追われて逃げたくなる。でも、欲情は羞恥を打ち負かした。
「ふたりでパイズリして……おっぱいで俺のモノ挟んで気持ち良くして……下さい」
「仕方ないわねえ」
 笑いながら、先生が朱い月の胸を撫で始める。見れば、手に残っていた俺の精を塗りたくっている。宝玉めいた乳房の輝きが、どろどろした液で濁る。
「何故この身に……」
 朱い月も、先生の胸に手を出す。同じように、俺の精液をべっとりと塗りつけた。
 焦れったくその淫らな光景を見ながら、ますますイチモツがいきり立つのを感じる。
「行くわよ?」
 それ以上焦らされることもなく、四つのおっぱいに俺のものが挟まれた。
「はふっ……」
 一瞬、もうそれだけで達しそうに思う。息を整え直す間もなく、二人は体を揺すり始め、すべすべの乳肌で男根がさすられる。肌を汚した俺の精が、ねっとりとした潤滑剤。唇を噛み、掌に爪を突き立てて、耐える。二人とも、口を開いて息を吹き掛けてくる。
「ひゃふっ……」
 亀頭に息が当たり、悶えさせられた。
「ふふ……ペロペロは無しよ?」
 ソレはないよ、と思った途端、唾が垂れ落ちた。唇から漏れる二人の雫が、竿をどろどろに濡らす。乳房の間で、にちゃりにちゃりと水音。
「もう逝くか?」
 と、二人が位置を変える。先っぽの方が胸肉に埋もれて、小刻みに揺らされて集中砲火。「はう……」
 耐える。指に比べて緩い刺激なのに、ずっと激しく猛っている。こんなにすぐは、勿体ない。でも、エラの裏のあたりとか、ねっとりと掃くように舐るように肌に愛撫されて、もう息も絶え絶え。あんなに肌理細かいのに、摩擦感たっぷりに撫でていく。
「うふふ、頑張るわね?」
 今度は、根元の方に移った。まだ耐えやすいかな、と思ったけど甘い考え。ぐにぐにと堅く尖った乳首を四方から突き付けられ、それで竿を擦りまくられる。唾と俺の精とで濡れているところに、とくとく先走りの汁が更に溢れてしまい、気持ち良いなんてレベルじゃない。
「それとも、これが良いか?」
 朱い月だけ、また上に戻る。根元と先っぽをそれぞれ挟まれ、全体を官能の絨毯爆撃。
「はっ、ふくっ……」
 まだ、耐えようとしていた。
 朱い月の、直視したら気が触れそうなばかりの美貌に、しっかり興奮しているらしくて朱が差している。聖なるイコンにも思える先生の美貌にも、悪戯な笑いと共に昂ぶりが見える。
 こんなの、現実じゃないって今さら思い、でも気持ち良いのは紛れもない。
「さあ、遠慮無く放って構わんのだぞ?」
 二人が上下を入れ替わる。似たようなもののはずが、それでも新鮮に思えて最後の守りも墜とされた気がした。ここで射精してしまったら、二人の顔や胸を汚してしまう。そんなことを束の間だけ考え、でもすぐに、その余裕も無くす。
「やっぱり、舐めたげようか?」
 はいっ、と馬鹿みたいに元気よく返事してた。
 笑って、朱い月の胸に顔を挟むみたいにして、先っぽを口に入れてくれる。舌と唇を感じてから、やっと、先生にフェラなんてして貰っているってことに意識が向く。俺の手を捕まえて、おっぱいに押し当ててくれる。自分の吐きかけたものでべとべとだけど、それでも先生の胸は官能の果実。
 朱い月の胸の間から突き出した亀頭は先生の唇に納まり、ねっとりと舌の歓待を受けている。さっき放ったばかりでなきゃ、数秒も耐えられないだろう。先生の口から出ても、すぐにまた朱い月の胸に捕まって責められる。そこからまた、先生の口に逃げ込む。でもそっちも悦楽の罠。先生の唇が亀頭のエラを通るたびに、唇を噛んで堪える。
「ふむ……」
 朱い月が体を離し、俺の脚の間に顔を沈めた。大きな胸は俺の横腰のあたり、手を伸ばさずにはいられない。解放されたペニスを、すかさず先生が挟んでくれる。一難、いや、一楽去って、また。ぺろぺろも、そのまま続けてくれる。
「きゃうっ?」
 いきなり袋に濡れたモノが触れて、跳び上がる想い。朱い月が、そっちを口にしたらしい。竿を乳房に挟まれて、亀頭と睾丸を二人掛かりで舐られる。
 それでも、まだ耐えていた。
「ふふ……意外と強情ねえ」
 先生がペースを上げる。朱い月は玉を口に含んで熾烈な責めを喰らわしてくる。舌が突き刺さって直接転がされてるみたいに感覚が鋭い。
「ぁぅっ……」
 また、四つのおっぱいで均等に締め付けて擦ってくる。たっぷりと落とされた唾液と自分の雫とで、べとべとだ。勝手に膝が曲がり、ブリッジもしようとしてるみたいに脚がばたばたしてる。
 おまけに、とうとう二人で亀頭にキスしてくる。唇でなぞられるだけでも、弾けそう。左右から口で挟まれた中で、舌が這い回ってる。
「出すのが気持ち良いのだろうに、必死で耐えるとは不思議なことを……」
 変に冷静な朱い月の言葉を聞きつつ、それでも耐えようとしていた。先端から栓でもしてあるつもりで、勿体なくてまだ楽しもうとしてる。抑えられるだけ抑えた方が、最後が気持ち良い。
「はうっ、くぅうっ……」
「ほら、意地を張らずに楽になれ」
 稀代の麗人が二人、乳房で俺のイチモツを挟んで揉みながら、先端を競って舐めている。吸い付いている。頬を赤くして、ちらちら流し見ているその眼が蕩けている。初めから牡の精液でまみれていたペニスに、二人の唾が合わさって更にどろどろ。
「もう、良い子は素直に出しちゃいなさいっ」
 それでも、先延ばししようとする。先生、ボクはワルイ子です。
 俺のモノと同じく堅く勃起した朱い月と先生の乳首が、ペニスの根元をぐりぐり刺激している。どっちがい良いなんて言えない、閾値を超えた至福のおっぱいがペニス全体を撫でさすって官能で犯していく。そして先端は、エラから尿道口から全部、唇と舌で責められている。
「ほんと頑張るわね? でも、これで終わりかな」
 再び、先っぽに集中攻撃。腰の辺りから突き上げを食って、沸騰したみたいに熱くなってる。
 また二人分の唾が垂らされ、四つの乳首が亀頭を突く。そのまま、くりくりぐにぐに、エラやら尿道口やら乳首が擽り回す。感触が独特。
「うぁう……ふあっ!」
 それ反則っ。
 なんか、そんなことが浮ぶ。舌と唇と乳首が波状攻撃。感触の違いでガード不能。
「ほらほら、頑張れ男の子っ!」
 ぐにゅ、と四つ押し付けられる。ここまでしといて、動いてくれない。
「そんなっ」
 それこそ反則っ。
 ホントにブリッジっぽく腰を上げて、下から突き上げる。乳首が当たったまま、たっぷり肌に擦られる。
「ほら……」
 やっと動いてくれる。舌や唇がまた触れる。
「逝く?」
 はうっ……。
 おっぱい四つと美貌二つの間で限度に達して、ついに、弾けた。
 びくん、びくんって際限なく溢れる。振りまくって栓を開けたシャンパンみたい。白いものが、魔法使いと朱い月の間で噴出してる。立て続け二度目なのに、あり得ないぐらい、大量に。
 びくん、びくん、まだ止まらない。
 糊みたいに濃いものが二人の横顔を思い切り汚し、綺麗なおっぱいをまた白濁した粘液で汚す。申し訳ないって思っているのに、その罪悪感まで快感。これだけは犯しちゃイケナイってものを冒涜する悦楽。
 まだ止まらない。
 搾り取ろうとするみたいに、二人しておっぱいで更に扱いてくれる。あり得ないって思うけど、まだ快感が続いてる。まだ射精が続いてる。こんなに腹の中にあったはずもないのに、まだ噴出してる。
 怖くなってきたころ、やっと納まった。
 体の中の水気が無くなった気がする。
 それどころか、腹の中身をごっそり吐き出した気さえする。
「ふふ、気持ち良かった?」
「楽しんだか?」
 二人とも顔を白い粘液で汚したまま、尋ねてくる。朱い月の瞼に付いてて、片眼を閉じさせている。先生の前髪まで汚している。
 首を縦に振りつつ、何だかもう、男として、冥利に尽きるというのか満たされるというのか。綺麗なものを思うがままにした快感、禁忌を犯した悦び。
「それは幸いだ」
「もう、えっちねえ、志貴」
 絶頂の後の気怠い余韻に身を任せていたら、目の前で互いの顔や胸を舐めて精液を啜り始める。背筋がぞくぞくする想いで眺めた。
 あり得ない量の粘液、結構な時間を費やしてそれぞれの肌を綺麗にし、並んで口を開いて中を見せてくれる。
 絶対嘘だってぐらい沢山、白い液がそこにあった。
 ふたりで、ゆっくりと、うっとりと、喉を鳴らす。
 どうにも淫らで、そそる仕草。
 やがて朱い月が口を開け、そこにもう残っていないのを示した。
「……まだ喉に引っ掛かっておる。何という濃さだ、人間」
 また悶えるようなことを言われてしまった。
 舌を出して、唇を舐める。
 先生も同じように、口の中を見せてくれる。やっぱり、全部飲み乾されていた。
「お腹膨れちゃうわねえ、この量は」
 いや、もう、勘弁して下さい。穴を掘って入りたい。
「ああ、しかし、もうひとつ綺麗にしなければならんものがあるな?」
 ん?
「そうね。志貴、覚悟しなさい?」
 そう言うと、先生はいきなりまた、俺のものを咥え込んだ。
「あぅ?」
「ほら、お主の出したものでネトネトにしたままであろう?」
 言うが早いか、朱い月も竿に舌を使い始める。
「ちょっ、エスケープ、エスケープッ!」
 有りもしないリングロープを求めながら、どういうわけかまた、両手ともおっぱいを掴んでいた。

 半ば予想通り――――眼を覚ましたら、ベッドの上に猫が寝ていた。
 半ばしか予想通りじゃないのは、それが白い猫だったから。
「えーっと……」
 白いレン、消えたんじゃなくてレンの中に戻ったんだとは思っていたけど。
 ひょっとして、あいつも俺に依存して存在してるんだったりして。
 その意味を頭が解する前に、体は冷や汗をかいていた。

 

/Between Dreams and Phantasms ・了

 


 Between シリーズの三つ目ですね。(ちなみに、一つ目二つ目

 このサイトには、全自動月姫Links-Albatoross- 様から来てくださっている方が非常に高い割合を占めています(ブックマークでなければ)。
 そして、検索際の検索語として「18禁」「先生」「朱い月」は非常に多いのです。また、特に名を秘す某氏がある日、日記にて大変に漢らしいことを書いておられました。
  本SSは、これらのことに基づいて書かれております。

 以上、本SSの内容はわたし個人の嗜好や趣味によるものではないと言う点をご理解いただいたところで、筆を置きたいと思いますw

 

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